日本百名山で、夏スキーやヒルクライムの聖地。
今年初の北アルプスは、色々な顔をもつ乗鞍岳に決まった。
5時25分、スタートは乗鞍高原のすずらん橋。
マツムシソウが咲いていた。
多分スキー場の端だろう、初めはなだらかな坂を進む。
後で調べるとユキノシタ科のチダケサシのようだ。
チダケというキノコを採ったときに、この草の茎に刺して持ち帰る風習に由来するようだ。
因みにチダケ(乳茸)とは傷をつけると白色の乳液を分泌する食用キノコのこと。
オダマキ。
黄色の薄い感じがなんとも美しい。
麻糸を空洞の玉のように巻いた苧環(オダマキ)に花の形が似ていることに由来する。
登山道らしい道を進み出すと、下から川の音が聞こえてくる。
乗鞍高原から登ってくる人は余りいないようで、とても静かな登りだ。
ミヤマアキノキリンソウ。
ギンリョウソウ。
木々や土が水を含んでしっとりとした空間になっている。
モミジカラマツ。
カラマツソウの仲間で、葉がモミジの形状に似ている。
トキソウのようだ。
いずれにしてもランの仲間っぽい。
ベニバナイチヤクソウ。
7月の初めに磐梯山で見た。
倒木があるのは季節の初めのためか、あまり人が通らない登山道だからがどうか。
クルマユリ。
オオヒョウタンボク。
唇形の白い花が2個対につき、上唇はさらに浅く4裂するのが特徴。
スイカズラ属で日本固有種だ。
ハクサンチドリ。
車道にでて少し行くと山荘があった。
8時、位ケ原山荘。
嫁さんがヒルクライムの人に「ずっと上りで大変ですね。」と声掛けると女性の方だった。
その横を大勢の観光客を乗せたバスが何台も通り過ぎていく。
ここで始めて山頂方面が見える。
今朝は雲のために乗鞍高原から山容を見れなかった。
車道歩きで周りの景色を楽しめるようになり元気が出てきた。
イワツメクサ。
ヨツバシオガマ。
肩の小屋口のバス停付近で、車道から外れ登山道を登る。
横では夏スキーを楽しんでいる。
気持ち良さそうだ。
このような場所がいくつかあった。
雪渓の横を上りきると、乗鞍の肩だ。
頂上を正面に見上げる。
9時50分、肩の小屋。
ここで少し休憩をとる。
10時に頂上を目指して再び登り始める。
鳥居が見えた。
あれが頂上の剣ヶ峰のようだ。
頂上のすぐ手前の頂上小屋が営業していた。
帰りに寄ってみよう。
まずは頂上へ。
10時40分、乗鞍岳頂上。
雲で周りの景色は望めない。
数分休んで下山開始。
帰りに頂上小屋でバッチを買う。
2014年と刻印され、今日の登山証明カードもついていた。
下山道の先にはコロナ観測所が見える。
コロナ観測所の向こうに畳平があり、後でそこにお花畑を見に行く。
権現池のコバルトブルーは火山のためだろう。
乗鞍岳の火口だ。
11時、下山途中でスペースがあったので昼食にする。
肩に下りたら肩ノ小屋を覗き、その後畳平に向かう。
肩ノ小屋から畳平はもう観光地の領域だ。
コマクサ。
シャクナゲ。
ハクサンイチゲの大群落。
よく見ると、ハクサンイチゲの中にイワカガミやクロユリが混ざっている。
クロユリ。
魔性の美しさとでいうのだろうか。
畳平の一帯は遊歩道があり、お花畑を楽しむことができる。
ショウジョウバカマ。
14時、畳平の観光センター前。
帰りはここからバスを利用する。
2~30分ほどバスを待ち、バスに乗りこんだ途端に凄い勢いの雨に見舞われた。
ほんと、運が良かった。。。
15時前にすずらん橋の駐車場に到着。
下山後、乗鞍高原で日帰り温泉に向かう途中に乗鞍岳の山容が見えた。
下山後にふもとから山容を望めれば、満足感も一味違う。
ヒルクライムの人達や、夏スキーの人達もいた。
頂上手前が観光地になっていて、お花畑が広がっていた。
実はこの頂上間近までの舗装された道路、旧陸軍が飛行機のエンジンの研究を行うための軍用道路として開設した歴史がある。
乗鞍岳は色々な要素があり、天気が良くなかったが楽しい山行となった。
今までの山行一覧