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本屋でこの本を初めて見た時に、これって登山の本?とまず思った。
その当時の私は山頂を目指すことを答えとしないロングトレイルという概念を知らなかった。
そしてこの本で初めて著者の加藤則芳という人を知った。
著者は日本にロングトレイルという概念を根付かせた1人である。

著者の加藤則芳は作家でありバックパッカーであるという。
バックパッカーとは自らの足で世界中を旅して、さまざまなことを自分の目で見て感じながら自分とは何かを探し求める人、といえるだろう。

アメリカ東部のジョージア州からメイン州までのの14州約3,500kmの自然歩道をアパラチアン・トレイルという。
この本は著者がアパラチアン・トレイルを踏破する過程で自然、文化、歴史、暮らしや人との交流を記したものになっている。
著者のロングトレイル関連の本では「ジョン・ミューア・トレイルを行く」が有名だが、この本はそれをはるかにしのぐ量の紀行文になっていて読み応えがある。

この本のあとがきで記されているが、著者はALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病にかかっていることを公表している。(著者は2013年に63歳で亡くなられている。)

色々な意味で歩くということを考えさせられた1冊となった。


<出版社のHP>
”信越トレイルオフィシャルサイト内”の著者のインタビュー記事